スポーツ史学会の沿革

 本学会は1986(昭和61)年に設立されました。同年11月29日、早稲田大学大隈会館で開催された設立総会への参加を呼びかけた「スポーツ史学会設立趣意書」には、つぎのよう に本学会創設の意図が述べられています。

 「スポーツは近年著しく発達し、現代文明の最も新しい一分野であると言われるまでに いたりました。・・・このようなスポーツの発展は一方ではスポーツそれ自体のなかにさ まざまな変化をもたらし、他方ではスポーツと現代文明の他の諸分野との関係にも変化を もたらしつつあります。・・・今日のような時代においてこそ、スポーツの意味を過去の 人間生活の中に問い、更に将来のあるべき姿を洞察する歴史研究が不可欠であることはいうまでもありません。  この研究領域は、近年人びとの注目を集めつつあり、いくつかの国々ではスポーツ・体育の歴史研究に関する学会が設立され、また国際的な研究組織も誕生しています。・・・しかしながら、わが国においては従来からかなりの研究実績が蓄積されてきているにもかかわらず、それが独立した学会として結実していないのが現状であります。

 以上のような現状にかんがみ、このたび「スポーツ史学会」を設立し、わが国における 研究者相互の情報交換、研究協力を促進するとともに国際交流を積極的に進め、いっそう斯学の発展に資したいと考える次第であります」

(「スポーツ史学会設立趣意書」抜粋)
 

 設立の翌年から毎年学会大会を開催するとともに、機関誌「スポーツ史研究」を発行しています。機関誌の他の定期刊行物として広報誌「スポーツ史学会だより」、会報「ひすぽ」 が刊行されています。

 以下に本学会の歩みの概略を年表形式で紹介します。
 

[1986年]
 11月29日 スポーツ史学会設立総会が早稲田大学大隈会館を会場に開催<〜30日>。62 名の設立発起人が参加し、初代会長の岸野雄三をはじめ、理事8名・監事2名の役員選出が行われた。事務局は東京大学教養学部体育科渡辺研究室に置かれた。
[1987年]
 1月12日 「スポーツ史学会だより」第1号発行。
 6月25日 会報(ひすぽ)第1号発行。
 11月28日 第1回学会大会開催(早稲田大学人間科学部)<〜29日>。
[1988年]
 3月1日 機関誌「スポーツ史研究」第1号発行 。
 12月3日 第2回学会大会開催(東京大学教養学部)<〜4日> 。
 12月3日 「日中スポーツ史研究討論会」開催。
中国体育史学会との国際交流始まる。<〜4日> 。
[1989年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第2号発行。
 4月 事務局、日本体育大学体育史(谷釜)研究室に移転。
 12月2日 第3回学会大会開催(日本体育大学)<〜3日>。
シンポジウム「スポーツ史研究の現代的視角 」開催。

渡辺 融(東京大学) 会長に選出される。
[1990年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第3号発行。
 9月11日 日本学術会議学術研究団体に登録される。
 12月1日 第4回学会大会開催(奈良教育大学)<〜2日>。
シンポジウム「スポーツ史研究の現代的視角 Part2」開催。
 12月 事務局、東京都立商科短期大学松尾研究室に移転。
[1991年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第4号発行。
 11月30日 第5回学会大会開催(日本大学文理学部)<〜12月1日>。
シンポジウム「Sport(s)の自国語化に関する比較史的検討」開催。
[1992年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第5号発行。
 11月28日 第6回学会大会開催(中京大学名古屋学舎)<〜29日>。
シンポジウム「ニュースポーツとは何か」開催。
岸野雄三(国際武道大学)会長に選出される。
[1993年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第6号発行。
 11月 事務局、市邨学園短期大学船井研究室に移転。
 12月4日 第7回学会大会開催(都立商科短期大学)<〜5日>。
シンポジウム「近代国民国家と体操運動」開催。
 12月 事務局、市邨学園短期大学船井研究室に移転。
[1994年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第7号発行。
 11月26日 第8回学会大会開催(大阪学院大学)<〜27日>。
シンポジウム「今なぜ『気』なのか? −『気』ブームのスポーツ史的意味 を探る−」開催。
中国体育史学会との国際交流中断。
[1995年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第8号発行。
 11月25日 第9回学会大会開催(専修大学神田校舎)<〜26日>。
シンポジウム「宗教からの問いかけ−宗教からみたスポーツ史−」開催。
[1996年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第9号発行。
 4月 事務局、大阪学院大学松本研究室に移転。
 11月30日 第10回学会大会開催(南山大学)<〜12月1日>。
シンポジウム「日本スポーツ史における『武』の問題−技法としての武、表現としての武−」開催。
稲垣正浩(奈良教育大学)会長に選出される。
[1997年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第10号発行。
 4月 事務局、市邨学園短期大学船井研究室に移転。
 11月29日 第11回学会大会開催(立命館大学)<〜11月30日>。
シンポジウム「舞踊における『劇場』的空間の変遷」開催。
[1998年]
 1月1日 機関誌「スポーツ史研究」第11号発行。
 11月21日 第12回学会大会開催(日本体育大学)<〜11月22日>。
シンポジウム「近代的身体の形成過程−日本の場合−」開催。
[1999年]
 3月25日 機関誌「スポーツ史研究」第12号発行。
 4月 事務局、大阪学院大学松本研究室に移転。
 10月9日 第13回学会大会[日本体育学会連合大会として]開催
(東京大学教養学部駒場キャンパス)<〜11日>
シンポジウム「スポーツ用具の歴史」開催
[2000年]
 3月31日 機関誌「スポーツ史研究」第13号発行。
 11月25日 第14回学会大会開催(神戸市外国語大学)<〜26日>
シンポジウム「21世紀のスポーツを考える−ジャック・マイヨールの世界を通して−」開催
木下秀明(日本大学)会長に選出される。
[2001年]
 1月19日 元会長岸野雄三先生がご逝去される。
 2月20日 機関誌「スポーツ史研究」 第14号発行。
 12月8日 第15回学会大会開催(西南学院大学) <〜09日>
シンポジウム「東アジアのスポーツ文化に及ぼした植民地主義の影響」開催
[2002年]
 3月20日 機関誌「スポーツ史研究」 第15号発行。
 4月 事務局、神戸市外国語大学竹谷研究室に移転。
 11月30日 第16回学会大会開催(椙山女学園大学) <〜12月1日>
特別講演「劈(ひら)かれる身体への招待」
特別講演「よびかけるからだ、ひびき合うからだ」
シンポジウム「<スポーツ>によって劈かれる身体−新たな身体論への序奏−」
[2003年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第16号発行。
 12月6日 第17回学会大会開催(仙台大学) <〜07日>
特別講演 器械体操発展史
シンポジウム「スポーツ・身体・ジェンダー」
[2004年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第17号発行。
 11月27日 第18回学会大会開催(金沢市湯涌荒屋町 秀峰閣) <〜28日>
シンポジウム「16世紀以後の東アジア武術交流史」開催
稲垣正浩(日本体育大学)会長に選出される。
[2005年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第18号発行。
 4月 事務局、仙台大学中房研究室に移転。
 10月9日 第19回学会大会開催(名古屋市 ホテル ルブラ王山) <〜10日>
シンポジウム「障害者スポーツのこれまで・これから」開催
[2006年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第19号発行。
 12月2日 第20回学会大会開催(大阪学院大学) <〜3日>
シンポジウム「<21世紀の身体>を考える」開催
 12月3日 事務局、奈良工業高等専門学校 松井研究室に移転。
[2007年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第20号発行。
 11月3日 第21回学会大会開催(札幌大学) <〜4日>
シンポジウム「叡知の身体技法〜忍術における身体のヴィジョンを探る〜」開催
[2008年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第21号発行。
 11月22日 第22回学会大会開催(こらっせ福島) <〜23日>
シンポジウム「アボリジナルの近代スポーツ史―19〜20世紀のオーストラリアをめぐって」開催
藤井英嘉(慈慶学園)会長に選出される。
[2009年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第22号発行。
 4月 事務局、札幌大学 瀧元研究室に移転。
 11月28日 第23回学会大会開催(名古屋工業大学) <〜29日>
シンポジウム「ヨーロッパの民衆スポーツと文化」開催
[2010年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第23号発行。
 11月27日 第24回学会大会開催(大和郡山市商工会館) <〜28日>
シンポジウム「社会史以後のスポーツ史研究―英国スポーツに見る伝統と近代―」開催
[2011年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第24号発行。
 11月12日 第25回学会大会開催(東海大学湘南キャンパス) <〜13日>
シンポジウム「スポーツメディア史を考える―現代、日本近代、欧米近代の視点から―」開催
[2012年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第25号発行。
 4月 事務局、奈良教育大学 井上研究室に移転。
 12月1日 第26回学会大会開催(甲南大学 5号館) <〜02日>
シンポジウム「現代スポーツの苦悩を探る」開催
高橋幸一 会長に選出される。
[2013年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第26号発行。
 11月30日 第27回学会大会開催(東洋大学 朝霞キャンパス講義棟3F) <〜12月01日>
シンポジウム「ドイツスポーツ史研究の今日的課題」開催
[2014年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第27号発行。
 4月 事務局 愛知教育大学保健体育講座 頼住研究室に移転
 12月6日 第28回学会大会開催(富山大学 五福キャンパス第3教棟4F) <〜07日>
シンポジウム「スポーツ技術・戦術史の現状と課題」開催
[2015年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第28号発行。
 12月5日 第29回スポーツ史学会大会開催(群馬大学 荒牧キャンパス教養教育GC棟3F(301教室)<〜6日>
シンポジウム「スポーツ史・体育史研究における地方・地域―何を語るのか、その課題と展望―」開催
[2016年]
 2月6日 元会長 稲垣正浩先生がご逝去される。
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第29号発行。
 4月 事務局、東海大学松浪研究室に移転。
 12月3日 スポーツ史学会30周年記念大会(立命館大学大阪いばらぎキャンパス)
<〜4日>
シンポジウム「スポーツ史からオリンピックの未来をみる −2016から2020へ−」開催
三井悦子(椙山女学園大学) 会長に選出される。
[2017年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第30号発行。
 12月2日 第31回スポーツ史学会大会開催(日本女子大学目白キャンパス百年館低層棟)
<〜3日>
シンポジウム「スポーツ史における女性 ―日英の比較から―」開催
[2018年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第31号発行。
 12月1日 第32回スポーツ史学会大会開催(愛知学院大学名城公園キャンパス)<〜2日>
シンポジウム「スポーツにおけるドーピング問題」開催
[2019年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第32号発行。
 4月 事務局、東洋大学 谷釜研究室に移転
 12月7日 第33回スポーツ史学会大会開催(中央大学多摩キャンパス)<〜8日>
講演「近代オリンピック大会史におけるドイツと日本の役割」開催
[2020年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第33号発行。
 12月5日 第34回スポーツ史学会大会開催(龍谷大学佐々木会員を世話人としてオンラインで実施)<〜6日>
シンポジウム「スポーツの世界史を考える―文明化の使命、帝国主義、ポストコロニアルの視点から―」開催
松本芳明(大阪学院大学)会長に選出される。
[2021年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第34号発行。
 12月4日 第35回スポーツ史学会大会開催(日本体育大学 福井元会員を世話人としてオンラインで実施)<〜5日>
シンポジウム「大学を拠点としたスポーツの歴史資料の利活用―教育・研究への還元に向けた課題―」開催
[2022年]
 3月 機関誌「スポーツ史研究」 第35号発行。
 12月3日 第35回スポーツ史学会大会開催(奈良教育大学)<〜4日>
シンポジウム「「生きる」から問うスポーツ―感染症の時代の身体―」開催

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